ずっと前に買った『살인자의 기억법(殺人者の記憶法)』をようやく読み終えた

韓国語

皆さん、積読していませんか?
韓国語の原書を読みたいと買って来て、そのままにしてませんか?

私はしています。
何冊あるだろう?

そんな私ですが、この度ようやく1冊読み終えました。

今回読み終えたのは『살인자의 기억법(殺人者の記憶法)』というサスペンス小説です。

帰りの電車で読み終えました。
韓国語だから誰も分からないと思ってカバーなしです。
しかも大きい鞄に無造作に入れているので、ちょっとボロボロです。

私は、韓国語を理解する時、音声で聞く方法が1番理解できます。
こうした小説などの文章を韓国語で読むのは聞き取りに比べると、理解度が半分くらいに下がります。

ちなみに理解できる順番は、動画→音声→文字といった感じです。

音読すれば黙読よりは少し理解度が上がるのですが、この小説は主に通勤に使う電車の中で読んでいたので黙読するしかなく……。

そんなわけでこの小説の理解度は60%くらいです。
それでも後半は続きが気になるくらい楽しめました。



内容についてですが、ここからはネタバレがあるので、これから読もうと思っている方はお気を付け下さい。
この小説は、結末を知らないで読む方が確実に面白いです。


では続きを。

主人公は過去に殺人を犯しているけれど、捕まっていないアルツハイマーの元獣医師です。
アルツハイマーなので、直近の記憶はできないけれど、過去の記憶は鮮明に思い出せるという症状があります。

最初の方は正直にいうと、そんなに面白くないと感じました。
ただただ老人の生活と過去の殺人について語られているからです。

娘や娘の彼氏、警察学校の人たちなど、他の登場人物が出て来て色々なことがあるのですが、私の理解度もあってか、老人の一人語りに飽きてしまったところもあります。

もちろん、結婚に反対したり、警察学校の人たちに授業の一環で過去の殺人について調べられたり、日常の中での変化はあるんですが、田舎町ヒューマンが苦手な私はそこまで興味もなく……。

それでも読み進めると、娘がいなくなり、彼氏が殺したと疑い始め、警察に通報したところから、物語のスピード感出て来ます。
そしてサスペンス感がアップします。

それまではずっと老人目線の一人称だった色々な出来事が、会話形式で第三者目線が加わるのです。

老人の一人称と言ってもアルツハイマーで痴呆があるので、話の核がぼんやりしています。
それが客観的視点が入ることで、核心に近づいていくのです。

それがすごく面白い!!
あれはそういうことだったのか!というスッキリ感。

いちばん衝撃だったのは、娘だと思っていた人が老人宅に通っていた療養保護士(日本でいう訪問介護士?)だったということ。

この時点で老人の主張のほぼすべてが真実ではないということが分かります。
その女性が娘だったからこそ成り立っていた人間関係と殺人疑惑です。

老人はアルツハイマーなので直近の殺人は覚えていません。
だから犯人は自分以外の誰かということになるんだと思います。

だから過去の殺人については認めています。
それは覚えているから。

なるほど!!!となりましたよね。

このサスペンス小説は、どうやって殺人を行ったかというようなトリックが書かれているわけではありません。

ほとんど老人の心理描写です。
会話文でだけ他人の心理が描かれています。

それなのに最後に全てが繋がる感じがあるのはすごいです。

そして最後は「아니, 그거조차 사라진다」で終わります。
どんどん世界がなくなっていく感じがとても悲しい。

サスペンスだけどヒューマンでもある気がする小説でした。
老人の心理描写でストーリーが進むから、老人に感情移入しちゃうんでしょうね。


小説は言葉の言い回しだったり文学的な表現があったりで、私にはすごく難しいです。
ニュースの方が漢字語が多いので読みやすいです。

それでもこの小説はとても面白く読めました。
もっと早く読めばよかった。

この小説は2013年に出版されているので、10年前くらいの本ですね。
ベストセラー知って買ったので、ほぼ10年くらい積読してたんですね、私。
捨てなくてよかった。

日本語の翻訳本も出ているようなので、ご興味のある方はぜひ。
映画もあるみたいです。

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